【同人誌の思い出その1】『おひとよし』上下巻の装丁 現在、ムーンライトノベルズにて公開中の拙作『おひとよし』ですが、連載していた当時、同人誌活動もしておりました。(現在は休止中です) オリジナルJUNEというジャンルで同人誌活動をするのは初めてで、同人誌一冊作るのにもとても緊張していて、色々と印刷所などを調べて、一生懸命作ったのはとても楽しい思い出です。 『おひとよし』は初めて書いたオリジナルJUNEということで思い入れも強く、とてもお金をかけて同人誌を作ってしまいました(笑)。もちろん大赤字で素寒貧です。売れても売れなくても、ものすごい赤字でした。 おまけに300ページもある上下巻を100冊も作ってしまって、印刷所から刷り上がった物が届いた時はダンボール6箱もあって、さすがに青ざめましたね。床が抜けると思いましたよ。ありがたいことにサイトを閲覧して下さった読者さまが本当にお優しくて、イベントではほとんど売れなかったものの、手元にある分は通販で無事完売しました。が、コミコミスタジオさん(「唐棣色」で検索してください)にもまだ一冊ずつくらいあるみたいです……)。 機会があればまたやりたいです。懲りずに。 以下、当時サイトに掲載していたコラムというかエッセイめいたものを、そのまま転載します。 甘粕の浮かれぶりをほんのり感じていただけましたら幸いです。 ↓ (2011年)3月21日のJ.GARDENにて発行予定の『おひとよし』上下巻ですが、 最近、小説を更新できていない…というか本づくりにかかりきりなので、 ちょっと装丁のご紹介をしたいと思います。 ↑写真は表紙カバーに使用する紙の見本です。 「ミランダ」という名前の特殊紙で、表面にこまかいガラスの粉(!)が塗ってあり、 角度を変えたり曲げたりすると、きらっきらっと光ります。 手触りも、ガラスのつぶつぶのせいで、ちょっくらざらっとしています。 七色に光っているように見えるのですが、赤・青・白の三色のガラスフレークの煌めきなのだとか。 名前の由来も、天王星の11番目の衛星からとられたそうで、まさしく夜空に煌めく星の様です。 ちょっと上の写真だとわかりづらいので、もうちょっと寄ってみました↓ 上が「ミランダ・スノーホワイト」、下が「ミランダ・黒」です。 はい、スノーホワイトは透を、黒は信二をイメージしております……!! スノーホワイトのほうは、上品にきらりときらめくという感じなのですが、 この写真だと、黒のほうはなんだかエロいですね。 でも信二には上品に、色っぽい男でいてほしいので、この紙を選んでみました。 シックな黒い装いの中に、きらりと色気がある…というイメージで。 透のほうは、一見、やさしいだけの青年なんだけれども、 夜はすごいよ…いやいや(汗)、そうではなくて、 純粋そうなのに、官能的。 というようなイメージで、選んでみました。 白のほうも黒のほうも、これに銀の箔が乗ります。 シックに仕上がってくれるかどうか、できあがりがとっても楽しみです。 (いま、印刷屋さんで刷ってもらっているところです) しかしどうして、白いほうはちゃんと(?)カタカナの名前がついているのに、 黒はただ「黒」なんですかね。 そしてもうひとつ、こだわったのが「遊び紙」。 本の表紙をめくって、本文が始まる前にはさまっているペラ紙のことです。 「キュリアスTL」という名前のトレーシングペーパーで、 フランスの洋紙メーカーが最近「どうだー!」とばかりにどどんと開発したメタリックとパールのあいのこのような輝きを持つ高級洋紙シリーズの中のひとつです。 上の写真は、このキュリアスTLの中でも色の名前が「イリディセント」というもので、 うっすらピンク色の半透明の紙が、曲がり具合で玉虫色にほんのり輝きます。 なんていうか、もう… エロい! ひたすら官能的です。 これが、本文が始まる前にうっすらと視界を遮断して、やおら物語は始まるわけです。 「イリディセント」というのは宝石用語で、 真珠などの表面に現れる、虹色の光沢のことだそうです。(ググった) うーん、ファンタジー。 そんなわけで、この本のストーリーとしては、 1)まず、きらきら光るガラスの粉をまぶした表紙カバーが、あなたの気分を夜空の下へ誘います 2)そして、真っ黒い見返しがいったん、気分を外界から引き剥がし…… (すみません、言い忘れましたが、表紙の次には真っ黒な紙で見返しがついているので、まず遊び紙の前に、これがきます) 3)うすピンク、かつ玉虫色に光る半透明のエロティックな紙が、一気に気分を盛り上げます 4)そして、おもむろに本文へ。 ……というイメージで、作成しました。 でもまだ私も現物を見ていないので、(見ることになるのは当日……個人でやると、いろいろ試し刷りとかの融通もきかないのです。予算がないから(泣)) 仕上がりがどうなるのか、ほんと……ばくちです。 イベントでは、ご覧いただくだけでも大歓迎です!ので、どうぞお気軽にさわさわしてやって下さい。 (2011年2月26日の当時のブログより) BL小説ランキング +注意+ 掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。 掲載されている小説の著作権は甘粕杏奈にあります。 甘粕杏奈以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。 PR